五代松鉱山の磁赤鉄鉱
(奈良県吉野郡天川村)
今年になって本屋さんで、鉱物採集の情報本「関西地学の旅 宝石探し」を見つけました。連休の前半に、案内に従って、奈良の五代松鉱山に行ってみました。「宝石探し」によると、鉱山はスカルン鉱床で、磁鉄鉱、磁硫鉄鉱を産出し、1980年代に廃鉱になったそうです。
4/29(日)
「宝石探し」の案内通り、橿原市から国道169号線を南下。吉野川を渡り309号線を天川村に向かってさらに南下します。川合で左折し、洞川温泉を抜けると日本名水百選の「ごろごろ水」が右の山側にあります。その先10mのところに車5台分駐車できる場所があります。そこに車を止めました。この日は休日のためかポリタンクを持って名水を汲みに来る家族がとぎれることなくにぎわっていました。私も少し飲んでみましたが、水温もちょうどよく結構おいしかったです。
さて、鉱山ですが駐車場のすぐ横に崩れかけた廃屋がそのまま残っています。駐車場から上に登っても良いですし、道路を20m先まで進むと稼働時に使っていたと思われる山道もあります。上に登って行くとズリを掘った跡がところどころにありますが、荒れている感じではありません。塊状の磁鉄鉱、そしてスカルン鉱物で暗緑色葉片状の灰鉄輝石などはたくさん見られます。塊状の磁鉄鉱を割ると2,3mmほどの結晶も見られますが、とがった角が細かい鉄粉を引きつけ「日本の鉱物」の磁赤鉄鉱と思われるものも見つかりました。方位磁針に近づけたところ、磁鉄鉱では磁針が回る程度ですが磁赤鉄鉱では磁針が浮き上がってきます。「宝石探し」に載っている緑石英は捜しましたが見つけられませんでした。久しぶりにきれいな空気を胸いっぱい吸いながらハンマーを叩けて気分は最高でした。
(平成13年)
参考図書 日本の鉱物 (成美堂出版)
関西地学の旅 宝石探し (東方出版)
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