藤ヶ谷鉱山の接触鉱物
(山口県玖珂郡美川町藤ヶ谷)
山口県東部にある藤ヶ谷鉱山はかつて玖珂鉱山とともに灰重石などのタングステンを採掘したところです。実際の抗口やズリのある場所は峠を越えた周東町明見谷です。この夏、ズリの様子を見に行きました。ちなみに、玖珂鉱山跡は、「地底王国」というテーマパークになっています。
8/13(土)
この鉱山も、やめて久しくなるので、整地などで場所がわからなくなっている可能性を考え、まず周東町の図書館に行きました。郷土のコーナーに「日曜の地学」がおいてあったので、早速掲載されている地図から目的の場所を暗記し、カーナビに鉱山跡の地点をインプットしました。最近はもっぱらこの方法で、産地に到達しています。ほぼ、100パーセントの到達率です。ま、日本の道は結構山奥まで舗装されているということです。
ナビの案内にしたがって山道を進みました。設定したゴールの直前に、右の谷に多量のズリが現れました。ほとんど夏草に覆われていません。駐車スペースに車を置き、一番上の元作業小屋があったあたりから、ズリにおりました。
ところがこのズリはとても崩れやすい。こぶし大の石はもちろんのこと、時には頭大の石まで雪崩のようにずるずる落ちます。足をとられて捻挫しないよう慎重に脚を踏ん張りながら下りました。
「日曜の地学」によると、タングステン鉱以外は捨てたと書いてあります。スカルン鉱物のベスブ石やざくろ石、灰鉄輝石、硅灰鉄鉱などは微結晶ながらかたまりで多量にあります。金属鉱物は黄鉄鉱と磁硫鉄鉱はあるものの、黄銅鉱、方鉛鉱などは見つけられませんでした。その代わり、輝水鉛鉱が頁岩と接した石英の部分に多く含まれているのが目に付きました。
確かにズリは多量にあるものの、日差しの強さに全身汗まみれ。ひたいから流れる汗が目にはいる。「ハー、ハー」いいながら、熱中症になるのではとの不安をもちながら2時間あまりも粘りました。それでも、ズリのほんの一部しか見ていません。
特に目新しいものはありませんでしたが、最近、スカばかりだったので、少し気分が晴れました。
次の日、左膝の筋肉が痛くなり、左足を引きずりながら歩く惨めなことになりました。不安定な姿勢で脚を踏ん張り続けたのが原因です。ま、歳のせいでもあるのかな。ズリの上り下りは、奥の方の砂地でしたほうがずっと楽です。
(平成17年)
参考図 日曜の地学12 (築地書館)
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