生月島の沸石(長崎県北松浦郡生月町)

長崎県や佐賀県の北部には中新世以降の火山活動によってできた玄武岩が広く分布しています。その晶洞鉱物としていろいろな沸石が見られます。今回は生月島に行ってみました。

1/4(木)
 国道204号線から平戸大橋を渡り平戸市に入ります。海峡にかけられた橋の上からの景色はすばらしいものです。標識に従って進み生月大橋を渡ります。この空色の橋からの眺めもまたすばらしく、ゆっくり車を走らせました。このあたりの山は照葉樹林が多く原生林独特のボリューム感に心打たれました。さて、橋を渡るとすぐに左折します。海岸線に沿ってきれいに舗装された道路を進みます。トンネルを過ぎてから約2キロ余りで左下に狭い道路が平行に走っているのが見えるところにつきます。ここでその道路に下りる道を下り、そのまま堤防のある海岸まで下りていきます。
 人家のないこのあたりなのに2台も車が止まっています。その先には5,6人の家族が海を眺めています。しばらくすると引き上げていきました。さて準備。全国的な寒波が九州まで押し寄せ今日はとても寒い。完全武装して海岸に降り立ちました。レビ沸石 5mm程度の菱沸石はたくさんあります。黒っぽい石を割ると1.3cmほどの晶洞の中に最大3mmのレビ沸石がびっしり詰まったものも見いだされました。無色透明で6角薄板の稜線は芸術的な造形をしています。他にエリオン沸石やコウルス沸石もあるとの情報でしたがそれらは残念ながら見つけられませんでした。
  さすがに玄界灘から吹いてくる北風は冷たく海岸には泡がたくさん吹き飛んでいます。それにしてもカラスが多い。50羽はいる。何か引きちぎっています。採集を終わり、近づくとカラスたちは道をあけるように飛び立ちます。何か大きなビニールのようです。さらに近づくと正体が・・・6mくらいの白い鯨が打ち上げられていたのでした。駐車場に上がるとまた軽自動車がやってきました。「鯨が打ち上げられていると聞いたので見に来た」とのこと。地元の人でも鯨は珍しいのかな。
 

(平成13年)

参考図書         フィールド版 続鉱物図鑑 (丸善)
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