北浦のバビントン石
(島根県美保関町)
7月25日(日)
今年の夏は天候不順で曇りや雨が多い中、朝からよく晴れた1日でした。昼過ぎに、中国自動車道を交差し、米子自動車道にのりました。終点の米子で高速道を下り、境港に向かって国道を進みました。大きくて立派な水道大橋を渡ると目的地・美保関町です。が、いつもながら「鉱物図鑑」1冊のみで地図類は忘れています。「ええい!ままよ」と適当に道なりに進みました。美保関灯台に行ったり、隠岐に行く七類港に行ったりと一時間あまりさまよい、日も傾き深刻な事態になったと気づきました。ちょうどそのとき「稲積」の案内板に巡り会い、やっと目的地の漁村にたどり着きました。
古浦ケ鼻には海岸沿いに行こうとしましたが、これから潮が満ちるのか引くのかわからず、山越えの道を選ぶことにしました。これとおぼしき山道をたどっていくと藪の中、何度も後戻りしながらそれらしき道を見つけ、鼻にたどり着くのに小一時間かかってしまいました。汗と蜘蛛の巣だらけの顔をタオルで拭きながら、日本海 の荒波を眺めて一息、やはり海はいいなー。さて、本来の目的であるぶどう石を探すのですが、私の目では全て方解石に見えます。鑑識眼がないということでしょうか。ところが、小さいがたくさん付いたバビントン石があちらこちらに見つけられました。海水に浸かるためか、輝きは鈍いがしっかりした結晶をしています。一番気に入ったものをひとかけら欠き割り、丁寧に新聞紙にくるみました。日もほとんど沈み始めたため、急いでもと来た山道を引き返しました。途中薄暗くなり、倒れた巨木に頭をぶつけたり、でこぼこ道に足を捻挫しそうになったりと散々でしたが、いいものを手に入れた満足感に満たされた一日でした。
(平成11年)
参考文献 フィールド版鉱物図鑑 松原聰著 丸善
ポケット図鑑日本の鉱物 成美堂出版
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