古浦ケ鼻には海岸沿いに行こうとしましたが、これから潮が満ちるのか引くのかわからず、山越えの道を選ぶことにしました。これとおぼしき山道をたどっていくと藪の中、何度も後戻りしながらそれらしき道を見つけ、鼻にたどり着くのに小一時間かかってしまいました。汗と蜘蛛の巣だらけの顔をタオルで拭きながら、日本海
の荒波を眺めて一息、やはり海はいいなー。さて、本来の目的であるぶどう石を探すのですが、私の目では全て方解石に見えます。鑑識眼がないということでしょうか。ところが、小さいがたくさん付いたバビントン石があちらこちらに見つけられました。海水に浸かるためか、輝きは鈍いがしっかりした結晶をしています。一番気に入ったものをひとかけら欠き割り、丁寧に新聞紙にくるみました。日もほとんど沈み始めたため、急いでもと来た山道を引き返しました。途中薄暗くなり、倒れた巨木に頭をぶつけたり、でこぼこ道に足を捻挫しそうになったりと散々でしたが、いいものを手に入れた満足感に満たされた一日でした。
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