西ヶ岳の普通輝石
(佐賀県伊万里市東山代)
昔から「西ヶ岳の輝石」として名高い産地です。玄武岩から分離した普通輝石は光沢の強い黒色で、稜のはっきりした良品です。今でも沢の中から採集することができます。
1/5(金)
伊万里市から国道204号線を通って松浦市方面に進みます。市街から抜けてしばらく進み、「楠久浜」という信号のある十字路を左折し県道5号線に入ります。「下大久保」「上大久保」を通過し葛折りの急坂を登っていきます。峠の「竹の古場」を越えるとすぐに「讃岐」バス停があります。バス停の側の細い道を川に沿って道なりに進みます。約3キロで橋があり、側に駐車スペースがあったのでそこに車を止めました。「楠久浜」から15分ほどでした。橋の10m手前に上り坂がありコンクリートの道を登っていきました。林道の入口付近は荒れていて、最近は使っていないようです。新しい道があるのではと期待し、コンクリートの道を最後まで進み、そこから踏み分け道を10mも登ると林道に出ることができました。期待通りでした。林道を登っていくと支流の沢に行き当たり柵が設置してあります。さらに登って2度目のUターンの場所まで行くと別の支流の沢がすぐ側に見えてきます。この沢の上流や下流で輝石を採集します。
この日は昨夜からの全国的な寒波の影響で佐賀と福岡との県境にも雪が降るほどの寒さでしたが、息を切らせて登ってきたせいで体はほかほか。道具は移植ごてとざるさえあればOK。わくわくしながら沢におりました。
冬のせいか水たまりはわずか。あちこちにざるですくいあげた小石や砂が散らばっています。今までどれだけの人がきたのでしょうか。余り人手が加えられていないと思われる場所を選んで移植ごてで砂をざるに入れ水たまりで洗います。濃い黒色のはっきりとした輝石の単結晶や双晶が現れてきます。大きくて7mmほどですが見事な結晶形をしています。量もかつてほどではありませんが、良い場所をねらえばそれなりにあります。夕暮れが迫っていたので正味1時間半しか時間がありませんでしたが、30個余り採集できました。
PS 杉山の緑柱石について
午前中、富士町杉山の緑柱石を求めていってみました。佐嘉鉱山跡に向かうべく「鉱物採集の旅」の案内に従って山径を登り尾根に着いたとたん径が寸断されていて採石場になっていました。さらに、佐嘉鉱山のあった山全体が削り取られていて土砂を運ぶダンプが行き来していました。
アクァマリンの美晶を産出した佐賀を代表する有名な産地が消えてしまったことは残念です。
(平成13年)
参考図書 鉱物採集の旅 九州北部編 (築地書館)
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