千葉山のダトー石
(静岡県島田市千葉)
静岡市入島に「斧石のついたダトー石」を拾いに行きました。入島の砂防ダムで、それらしき物を見つけました。が、肝心のダトー石かよく分かりません。それならば結晶形のダトー石を拾って、比較しようと思いつき、急遽、島田市に向かいました。
11/23(金)
今回は、体力増強をかねて、すべて電車、バスと徒歩で移動することにしました。島田駅前の路線バス案内を見ると、市民病院までしか行きません。バスは1時間に2本。病院で下りて、まず大草の天徳寺に向かって一本道を歩きました。40分で到着。ここから千葉山の智満寺をめざして、山道をひたすら歩きます。途中、第二東名のトンネル工事を大がかりで行っているのにぶつかりました。壮大な工事で、連休中も作業を行っています。約1時間半で、千葉集落の手前で大きく曲がるところに到着しました。上流に、「鉱物採集の旅」にはのっていない砂防ダムができています。ダムを越えて、沢づたいに捜して歩きました。さすがに、めざしたダトー石は、すぐには見つけられませんでしたが、沢の中に輝緑岩の大きな転石があり、白いダトー石の脈が見つかりました。ルーペで見ると、無色透明で、ガラス光沢、丸っこい米粒のような結晶をしています。数も少なくなっているようでしたので、かけらを2つ持ち帰ることにし、新聞紙に包みました。
帰りは同じ道を引き返すのはいやなので、そのまま進みました。急坂の千葉部落をあえぎあえぎ上り、智満寺に到着。尾川に抜
ける山道を下りました。ずっと下りでした。途中、行きに出会ったトンネル工事の反対側に出くわしました。薄暗くなっていましたが照明で明るく照らしながら工事をしていました。山の中にビルを建てるような感動的な工事でした。約2時間半歩き、どっぷり暗くなった島田駅に到着しました。
帰ってから、顕微鏡で眺めました。結晶した粒状のダトー石が透き通っていて、とてもきれいでした。塊状になっている部分で検査をしました。リッパーでひっかくと傷が付き、サンポールをつけても変化ありませんでした。この結果と比較して、入島の石を調べました。入島で拾った石は、傷のつかない石英と傷ついても泡の出る方解石のみで、ダトー石はないとの結論になりました。残念・・・。
(平成13年)
参考図書 鉱物採集の旅 東海地方をたずねて (築地書館)
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