都茂鉱山の鉛・亜鉛鉱(島根県益田市美都町山本葛篭)

 現地の案内板によると、都茂鉱山は平安時代より銅鉱山として知られ、長年にわたり採掘されたそうです。最盛期は戦後で、約200人の人が働き、ここで大まかに選鉱された銅、タングステン、金銀鉱などが各地に送られ精錬されたようです。
 


8/14(火)

 全国的に猛暑が続く今年ですが、ここ数日、九州近辺は熱帯低気圧が発生していて、曇りがち、時折小雨もちらついて心持ち暑さがしのげています。  午前中、笹ヶ谷鉱山跡をのぞいてみましたが、鉱害防止工事が施され背丈以上の夏草に覆われていて、分け入る気力も涌かず、退散しました。
方鉛鉱と閃亜鉛鉱
 さて、都茂鉱山へは津和野方面からは、美都町を目指して山越えになります。実際は、カーナビで鉱山跡地を目的地にインプットしたので、すべてカーナビ任せ。  美都町葛篭の集落をすぎて深折すなわち野々峠方面に山道を登っていきます。山中にも関わらず道幅は1.5車線のしっかりした道で、意外と車が行き来します。
 集落を抜けると、「中外鉱業都茂管理事務所」の大きな柱が立っています。隣の廃屋が事務所だったのでしょうか...暑いので車から降りって確かめるでなく、そのまま山道を登ります。次は、選鉱場跡を示す案内板が現れます。対岸の雑草が茂っているあたりに大がかりな選鉱場があった模様です。さらに上流にのぼっていくと道路脇に手製の道路案内図が立っています。そこに車を止めて、脇道に入っていきました。小道を2,3分たどると鉄枠の建物に到着。中には数個のモーターが置いてあります。隣に「丸山坑」と書かれた坑口があります。
 この坑口の前あたりのズリで広場になったところを表面採集してみました。曇りがちとはいえ、熱気のこもる山中、とても暑いです。石英を含んだ石を中心に探し、錆っぽいものをハンマーでたたきました。一撃目は新鮮で劈開のはっきりした方鉛鉱と飴色の閃亜鉛鉱、それに黄金色の黄銅鉱が混ざりあっているのに出会いました。「これはきれいだ。大きさもまあまあだし...」と、少し暑さが引いていく感じ。次に見つけた石は、輝水鉛鉱が小さく散らばったもの、そして真鍮色から赤褐色かたまり状の磁硫鉄鉱「う〜ん、すこし標本には今一かな...」などと小1時間表面採集を楽しみました。あまり期待はしていなかっただけに、広場を少し歩いただけでこれだけ収穫があり、とても来た甲斐がありました。
 

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参考図   原色鉱石図鑑  (保育社)

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